電子書籍ビューア

calibre には主要な電子書籍形式をすべて表示可能なビルトインの電子書籍ビューアが付属しています。この電子書籍ビューアはいろいろなカスタマイズが可能で、高度な機能をたくさん備えています。

電子ビューアの開始

calibre ライブラリの本は、本を選択して 表示 ボタンをクリックすれば読むことができます。こうすると電子書籍ビューアで本を開きます。Windows のスタートメニューから電子書籍ビューアを直接起動することもできます。macOS では Dock に追加してそこから起動することができます。Linux ではデスクトップメニューのランチャーから、またはコマンド ebook-viewer で利用できます。

テキストをハイライト

ビューアの中でテキストを選択すると、選択範囲の隣に小さなポップアップバーが現れます。このバーの中のハイライトボタンをクリックするとハイライトを作成できます。ハイライトにはメモをつけたり、色を変更したりすることができます。タッチスクリーンでは選択したい単語の上でタップを長押しするとポップアップバーが表示されます。ハイライトモードに入ると、タッチスクリーンで使いやすい選択ハンドルを使って、選択したテキスト範囲を変更できます。また Shift+クリック右クリック でも選択範囲を広げられます。ページをまたがった選択をしたいときに便利です。

ビューアコントロールにある ハイライト ボタンを使うと別のパネルで章順に整列したハイライトの一覧を表示できます。

表示 を右クリックして 注釈を表示 を選択すると、calibre ライブラリにある すべてのハイライト を参照できます。

最後に、calibre のコンテンツサーバのブラウザビューアを使用すると、ビューアと注釈を同期することができます。注釈を同期するにはビューア設定の 環境設定  →  その他 でコンテンツサーバビューアと同期したいユーザ名を入力します。特殊な値 * を使用すると匿名ユーザと同期します。

読み上げ

視聴者は本のテキストを声に出して読むことができます。これを使用するには、ビューア コントロールの Read aloud ボタンをクリックするだけで、本のテキストの読み上げを開始できます。現在読んでいる単語または文が強調表示されます。音声は、Piper ニューラル テキスト読み上げエンジン、またはテキスト読み上げ用のオペレーティング システム サービスを使用してテキストから合成されます。 音声読み上げ がアクティブなときに表示されるバーの歯車アイコンをクリックすると、使用されるバックエンドと音声を変更できます。

ハイライトされた部分を読み上げるには、読み上げ ボタンをビューア設定にある 選択動作 で選択バーに追加します。

注釈

ブラウザでのテキスト読み上げは非常に不完全でバグが多いため、読み上げ がどれほどうまく動作するかは元となるブラウザがテキスト読み上げをどれだけしっかりサポートしているかによって変わります。特に読み上げ中の単語のハイライトがうまく動作しなかったり、速さや音声を変更すると最初から読み上げ直したりすることがあります。

テキストを検索

ビューアには非常に強力な検索機能があります。 Ctrl+F キーを押すか、ビューア コントロールにアクセスして 検索をクリックします。最も単純な検索形式は、テキスト ボックスに入力したテキストを検索することです。さまざまな検索形式は、検索入力の下にある検索モード ボックスで選択します。利用可能なモードは次のとおりです。

  1. Contains - 最も単純なデフォルト モード。検索ボックスに入力されたテキストは、どこからでも検索されます。句読点、アクセント、スペースはすべて無視されます。たとえば、「Pena」という検索は、「penal、pen a、pen.a、Peña」のすべてに一致します。 「大文字と小文字を区別する」ボックスを選択すると、アクセント、スペース、句読点は無視されなくなります。

  2. 単語全体 - 単語全体を検索します。たとえば、「pena」を検索すると、「Peña」という単語には一致しますが、「Penal」という単語には一致しません。上記の「含む」検索と同様、「大文字と小文字を区別する」ボックスがチェックされていない限り、アクセントと句読点は無視されます。

  3. 近傍語 - 互いに出現位置が近い単語全体を検索します。例えば、calibre coolcalibrecool が60文字以内で出現する場所に一致します。この判定文字数を変更するには、単語リストの末尾に新しい数字を追加します。例えば、calibre cool awesome 120 は、3つの単語が120文字以内で出現する場所に一致します。これらの検索では句読点とアクセントは 無視されない ことに注意してください。

  4. Regex - 検索文字列を 正規表現 として解釈します。正規表現についてもっと学習するには the tutorial を参照のこと。

本の外観と操作感をカスタマイズ

フォントサイズをその場で変更するには、ビューアコントロールの フォントサイズ を使うか、Ctrl++ または Ctrl+- を使うか、Ctrl キーを押しながらマウスホイールを使用します。

色は、ビューア設定の セクションで変更できます。

表示画面上に表示するページ数やページ余白は、ビューア設定の ページレイアウト で変更できます。

ビューア設定の ヘッダとフッタ セクションではヘッダやフッタをカスタマイズして、読了までの時間、現在の章タイトル、本の位置などを表示させることができます。

より高度なカスタマイズは スタイル 設定で行えます。ここではテキストの下に表示する背景画像や、すべての本に適用されるスタイルシートを指定したりできます。それを使うと段落スタイルやテキストの配置などを変更できます。calibre のユーザによって使用されるカスタムスタイルシートの例は、 フォーラム を参照してください。

辞書検索

現在の本の中にある単語の意味を調べるには、調べたい単語の上でダブルクリックするかタップを長押しして、図書館の形をした検索ボタンをクリックします。

テキストや画像をコピー

テキストや画像はそのコンテンツ上でマウスをドラッグして選択し、さらに右クリックして コピー を選択することによりクリップボードにコピーできます。コピーしたものは他のアプリケーションにプレーンテキストや画像として貼り付けることができます。

画像を拡大

画像を別のウィンドウで最大サイズに拡大表示するには、画像の上でダブルクリックするかタップを長押しします。または画像の上で右クリックして 画像を表示 を選択します。

現在の本の印刷版と同期

印刷版と対応する電子書籍では各紙面ページの開始を示すメタデータが含まれていることがあります。このような電子書籍では、ビューワコントロールの 移動 ボタンで各紙面ページに移動することができます。また、ビューアの設定で、ヘッダーまたはフッターに Pages from paper edition を追加することで、書籍のヘッダーまたはフッターの現在の位置に対応する紙面版のページを表示することもできます。

キーボードショートカット

ビューワは calibreの他機能と同じく、拡張されたキーボードショートカットを持っています。これはビューワの 設定 でカスタマイズ可能です。デフォルトのショートカットを以下に示します。

calibre 電子書籍ビューワのキーボードショートカット

キーボードショートカット

アクション

Home, Ctrl+ArrowUp, Ctrl+ArrowLeft

複数ファイルの本で、現在ファイルの先頭にスクロール

Ctrl+Home

本の先頭までスクロール

Ctrl+End

本の最後までスクロール

End, Ctrl+ArrowDown, Ctrl+ArrowRight

複数ファイルの本で、現在ファイルの最後にスクロール

ArrowUp

後方へスクロール。フローモードではなめらかに、ページモードでは画面分だけ。

ArrowDown

前方へスクロール。フローモードではなめらかに、ページモードでは画面分だけ。

ArrowLeft

フローモードでは少し左へ、ページモードでは1ページ分スクロール

ArrowRight

フローモードでは少し右へ、ページモードでは1ページ分スクロール

PageUp, Shift+Spacebar

画面分だけ後方にスクロール

PageDown, Spacebar

画面分だけ前方にスクロール

Ctrl+PageUp

前の章までスクロール

Ctrl+PageDown

次のセクションまでスクロール

Alt+ArrowLeft

戻る

Alt+ArrowRight

進む

Ctrl+T

目次の表示/非表示

Ctrl+S

読み上げ

Alt+P

profiles へ設定を素早く変更

Alt+f

キーボードでリンクを開く

Ctrl+C

クリップボードにコピー

Alt+C

現在の場所をクリップボードにコピー

Ctrl+Shift+C

現在の場所を calibre:// 形式のURLとしてクリップボードにコピー

/, Ctrl+f, Cmd+f

検索開始

F3, Enter

次を検索

Shift+F3, Shift+Enter

前を検索

Ctrl+Plus, Meta+Plus

フォントサイズを拡大

Ctrl+Minus, Meta+Minus

フォントサイズを縮小

Ctrl+0

デフォルトのフォントサイズに戻す

Ctrl+]

画面に表示するページ数を増やす

Ctrl+[

画面に表示するページ数を減らす

Ctrl+Alt+C

画面に表示するページ数を自動調整

F11, Ctrl+Shift+F

全画面モードのON/OFF

Ctrl+M

テキストレイアウトをページモードとフローモードで切替え

Ctrl+W

スクロールバーの表示/非表示

Ctrl+X

リファレンスモードの切り換え

Ctrl+B

ブックマークを表示/非表示

Ctrl+Alt+B

新しいブックマーク

Ctrl+N, Ctrl+E

本の書誌情報を表示

Ctrl+Alt+F5, Ctrl+Alt+R

本の再読込

Ctrl+Shift+ArrowRight

現在の選択範囲を1文字分前向きに変更

Ctrl+Shift+ArrowLeft

現在の選択範囲を1単語分後ろ向きに変更

Shift+ArrowRight

現在の選択範囲を1文字分前向きに変更

Shift+ArrowLeft

現在の選択範囲を1文字分後ろ向きに変更

Shift+ArrowDown

現在の選択範囲を1行分前向きに変更

Shift+Home

現在の選択範囲を行頭まで拡張

Shift+End

現在の選択範囲を行末まで拡張

Ctrl+A

すべて選択

Shift+ArrowUp

現在の選択範囲を1行分後ろ向きに変更

Ctrl+Shift+ArrowDown

現在の選択範囲を1段落分前向きに変更

Ctrl+Shift+ArrowUp

現在の選択範囲を1段落分後ろ向きに変更

Esc, MenuKey

E-book ビューア制御の表示

Ctrl+Comma, Ctrl+Esc, Meta+Esc, Meta+Comma

E-book ビューア設定の表示

Ctrl+G, ;, :

本の中の指定した場所または位置へ移動

Ctrl+Spacebar

自動スクロールの切り換え

Alt+ArrowUp

自動スクロールの高速化

Alt+ArrowDown

自動スクロールの低速化

Ctrl+I

インスペクタを表示/非表示

Ctrl+L

単語検索パネルの表示/非表示

Ctrl+Q (Cmd+Q on macOS)

終了

Ctrl+P

本をPDFとして印刷

Ctrl+F11

ツールバーのON/OFF

Ctrl+H

ハイライトパネルを切替え

Ctrl+D

この本を編集

非リフロー型のコンテンツ

一部の本の中にはコンテンツの幅が広すぎてページ内に収められないようなものがあります。たとえば表や <pre> タグなどです。こうした場合には、コンテンツを読むには Ctrl+M を押してビューアをフローモードに切り替えてください。またはビューア設定の スタイル セクションに次の CSS を追加して <pre> タグ内のテキストを強制的に改行して表示させるようにします。

code, pre { white-space: pre-wrap }

calibre 電子書籍ビューワでうまく動く本をデザイン

calibre 電子書籍ビューワは root要素に is-calibre-viewer クラスを設定します。そのため、このビューワだけに適用できる CSS規則を書き込めます。さらに、ビューワは body 要素に以下のクラスを設定します。

body.calibre-viewer-dark-colors

ダークカラースキーム使用時に設定

body.calibre-viewer-light-colors

ライトカラースキーム使用時に設定

body.calibre-viewer-paginated

ページモードのとき設定

body.calibre-viewer-scrolling

フローモード (ページ分割なし) のとき設定

body.calibre-footnote-container

ポップアップ脚注を表示しているときに設定

最後に、 CSS 変数 によりcalibreカラースキームの色を使用できます。calibre電子書籍ビューアでは、以下の変数が定義されています: --calibre-viewer-background-color--calibre-viewer-foreground-color およびオプションでカラーテーマ中でリンクの色を定義する --calibre-viewer-link-color