電子書籍の書誌の編集¶
電子書籍にはありとあらゆる形とサイズのものがあり、そしてしばしば書誌 (タイトル/著者名/シリーズ名/出版社のような情報) が不完全であったり不正確だったりします。calibre で書誌を変更する最も簡単な方法は、エントリの上でダブルクリックして正しい情報を入力して置き換えることです。もっと洗練されて "強力な" 編集を行うには、以下に説明する書誌編集ツールを使ってください。
書誌を一冊ずつ個別に編集¶
編集したい本をクリックし、書誌を編集 ボタンをクリックするか、E
キーを押してください。ダイアログが開き、書誌に関するすべての情報を編集できるようになります。効率を上げて素早く編集するための機能も豊富です。よく利用されるコツには次のようなものがあります。
タイトルと著者名の間にあるボタンをクリックすると自動的に入れ替えることができます。
著者読みの隣にあるボタンをクリックすると、それぞれの著者ごとに保存されている読みの値を使って calibre が自動的に入力します。著者名の読みを変更するには 著者を管理 ダイアログを利用してください。このダイアログを開くには、著者名読みの隣にあるボタンをクリックして長押しします。
タグの隣のボタンをクリックすると、本に関連付けられたタグを管理するために タグエディタ を利用できます
"ID" のボックスにはISBN (およびその他の ID) を入力するのに利用できます。無効な ISBN を入力すると背景が赤くなり、有効な ISBN であれば緑になります。
著者名読みの値が calibre が本来あるべきと考えるものと異なる場合、著者名読みの欄が赤くなります
書誌のダウンロード¶
書誌編集ダイアログの機能の中で最も優れているのは、いろいろな Web サイトから書誌を収集して自動的に書誌フィールドを埋めることができる点です。現在のところ calibre はGoogle ブックスと Amazon を利用しています。書誌ダウンロードで入力できるのは、タイトル、著者名、シリーズ名、タグ、評価、説明、ISBN です。
ダウンロードを使用するには、タイトルと著者名の欄を埋めてから 書誌を取得 ボタンをクリックします。calibre はそのタイトルと著者名に最も近い本の一覧を提供します。最初に ISBN を入力すると、タイトルと著者名の情報よりも優先して利用します。一致するものが見つからない場合には、タイトルをいくつかのキーワードに絞ったり、著者名に姓のみを指定したりして条件を少し緩めてみてください。
本の形式を管理¶
calibre では、一冊の本にたくさんの異なる 形式 を関連付けることができます。たとえばシェイクスピア全集を EPUB 形式で入手し、その後 Kindle で読むために MOBI に変換したとします。calibre は自動的に複数の形式を管理してくれます。書誌編集ダイアログの 利用可能な形式 でこうした形式を管理できます。新しい形式を追加したり、既存の形式を削除したり、別の形式にある書誌や表紙を設定したりすることが可能です。
カバーに関するいろいろ¶
本の ISBN がわかっていれば、calibre に表紙をダウンロードさせることができます。またはコンピュータ上のファイルを指定して表紙として使用することもできます。基本的な書誌をもとにして calibre がデフォルトの表紙を生成することも可能です。表紙を変更するには画像を表紙の上にドラッグ&ドロップするか、右クリックして画像をコピー/貼り付けを行います。
さらに、表紙画像に見苦しい境界線がある場合のために、表紙の境界線を自動的にトリミングするボタンがあります。
書誌を複数冊まとめて編集¶
まず、編集したい本を選択するために Ctrl または Shift を押しながら本の上でクリックしてください。複数の本を選択しして 書誌を編集 ボタンをクリックすると、書誌の 一括 編集ダイアログを開きます。このダイアログを使用すると、複数の本の著者/出版社/評価/タグ/シリーズなどに手早く同じ値を設定できます。書誌の一部に共通な値を持つ本を複数まとめてインポートした場合などには、特に有用です。このダイアログはとても強力で、例えば 検索と置換 タブでは書誌の一括操作を行ったり、書誌のある欄を別の欄にコピーしたりすることができます。
通常の書誌編集ダイアログには 次 および 前 ボタンがあり、本の書誌を次々と編集できるようになっています。
検索と置換¶
書誌を一括編集 ダイアログでは、選択した本に対して強力な検索と置換を実行することができます。デフォルトでは単純なテキスト検索と置換を行いますが、正規表現を使用することも可能です。正規表現に関して詳しくは calibre で正規表現を利用するにあたって重要なこと を参照してください。
前述のように検索と置換には、文字列検索と正規表現という二つのモードがあります。文字列検索では 検索フィールド で指定した列を、検索語 に指定した文字列で検索し、置換 に指定した文字列で置き換えます。検索語が見つかるたびに置き換えられます。例えば検索される文字列として a bad cat があったとします。これに対して a を検索して HELLO に置き換えるよう指定して実行すると、結果は HELLO bHELLOd cHELLOt となります。
もし検索している対象がタグのように 複数 のフィールドの場合、タグはそれぞれ個別に扱われます。例えばタグに Horror, Scary と設定されていて検索語に r, を指定したとすると、検索に一致するものは見つかりません。なぜならまず Horror を検索し、次に Scary を検索することになるからです。
検索で大文字と小文字の違いを無視したい場合には、大文字・小文字を区別 のチェックを外してください。
結果 (置換を実行した後の情報) の大文字と小文字は、置換後に変換操作を行う から機能を選択して calibre に変更させることができます。利用可能な操作は、次のとおりです。
小文字 -- フィールド内のすべての文字を小文字に変更します
すべて大文字 -- フィールド内のすべての文字を大文字にします
先頭を大文字 -- 結果の中の単語ごとに先頭の文字を大文字にします
テスト 欄は、検索/置換がやりたいことをきちんとやれるかを確認するために提供されています。多くの場合本のテストボックスで十分な確認ができますが、ここに表示されていない例でテストしたい場合が出てくることもあり得ます。こうしたときに テスト を入力してください。
正規表現モードでは、正規表現を使用するという以外にも文字列検索モードと異なる部分が何点かあります。1 点目は、フィールド全体ではなく正規表現にマッチした部分にのみ適用されるという点です。2 点目は、フィールド全体ではなく置換文字列に適用される点です。
そして最も重要である 3 点目は、置換文字列は逆参照を使用することによって検索文字列の一部を参照することが可能である点です。逆参照は \\n
です。n は整数で、検索式の中の n 番目にカッコで囲まれた部分を参照します。例えば上記の例で a bad cat に対して検索式に a (...) (...) を指定し、置換に a \2 \1 と指定したとすると、結果は a cat bad となります。逆参照について詳しくは calibre で正規表現を利用するにあたって重要なこと を参照してください。
便利なパターンの例: フィールド全体を変更したいとします。一番簡単なのは文字列検索モードを使用することですが、ここでは正規表現モードを使用したかったとします。検索式を (^.*$) として、置換を \1 とすれば、選択した大文字・小文字の変更機能を望んだとおりに適用できます。
最後に、正規表現モードでは値を別のフィールドにコピーすることができます。検索フィールドと対象フィールドに別のものを選択するだけで、そうすることが可能です。コピーすると対象フィールドの内容を置換するか、フィールドの前に追加するか、フィールドの後ろに追加することができます。'カンマを使用' にチェックするともとのテキストと追加されるテキストの間にカンマを追加します。対象フィールドが複数 (例: タグ) の場合にはこのボックスのチェックは外せません。
検索と置換は、書誌に対する他のタブでの変更がすべて終わった後に実行されます。これによって混乱が引き起こされる可能性があります。なぜならテスト欄に表示される内容は変更が適用される前のものであるにもかかわらず、操作は変更された後のものに対して適用されるからです。何が起こるかわからない場合には、他の変更と検索/置換を混在させないでください。
書誌の一括ダウンロード¶
複数の本の書誌を一括してダウンロードしたい場合、書誌を編集 ボタンを右クリックして 書誌をダウンロード を選択します。ダウンロードするものは、書誌のみ、表紙のみ、または両方の中から選択できます。