デジタル著作権管理 (Digital Rights Management, DRM)¶
デジタル著作権管理 (Digital Rights Management, DRM)とは、ハードウェアの製造元、出版社、著作権者や個人が、デジタルコンテンツやデバイスの利用に制限をかけるために利用できるアクセス制御技術の総称です。これはまた侮蔑的に、Digital Restrictions Management (デジタル制限管理) と呼ばれることもあります。この呼び方は、コンテンツ提供者が予見できなかった、あるいは望まなかったにもかかわらず、デジタルコンテンツの利用 (合法であるかどうかにかかわらず) を阻害してしまうような技術を揶揄するのに使われます。DRM という用語は通常、ファイルやデバイスに変更を加えない形でのコピープロテクション、たとえばシリアル番号やキーファイルなどに対しては使われることはありません。この用語は、特定のデジタル作品やデバイスに関連付けられた制限を表現するのに使われることもあります。DRM 技術は、エンドユーザがコピーしたりフォーマット変換したりできないようデジタルメディアの利用を制限しようするものです。 Wikipedia を参照してください。
DRM は個人にとってどのような意味がありますか?¶
DRM のかかった電子書籍を購入するしても、皆さんはその本を本当の意味で所有することはできません。売り手が支持した方法で利用する権利を購入したにすぎないからです。DRM は皆さんが "購入した" 本の利用を制限します。DRM つきの本を購入した人々はしばしば、こうした制限の及ぶ範囲に気づいていません。このような制限があるせいで、フォントのサイズを変更したりといったスタイルの変更を含め、電子書籍の書式を好きなように変更することができません。DRM のない本であればそうしたことができるソフトウェアが存在するにもかかわらずです。DRM がかかっていると、あるフォーマットから別のフォーマットに変換することができないと気づいて、本を購入した人々が驚くことはよくあります。したがって Amazon Kindle を持っていて Barnes and Nobles から本を買ったとき、その電子書籍に DRM がかかっていたら手持ちの Kindle ではその本を読めないことを知っておく必要があります。ただしここで話題にしているのは購入した本についてです。盗んだものや、海賊版ではなく、購入した 本の話です。
DRMと自由¶
デジタルコンテンツは情報だけでなく創造的な作品を作成してすべての人々に簡単に提供し、人類に力を与えるために利用できるものですが、一部の出版社にとっては不利益となります。そうした出版社は、世界の発展についていけない自分たちを守りたいがために、人々を自由から遠ざけようとするのです。
calibre が DRM をサポートしないのはなぜですか?¶
calibre がオープンソースソフトウェアであるのに対して、まさにその性質上 DRM はクローズドです。もし calibre で DRM のかかったファイルを開いたり読んだりすることをサポートしようとするなら、DRM 解除ツールとして使用するためにちょっとした変更を加えることができなくはありませんが、現在の法のもとでは DRM 解除は違法です。オープンソースソフトウェアと DRM は対立する概念なのです。DRM とは利用者をコントロールしようとするものであり、オープンソースソフトウェアとは利用者に力を与えるものです。この二つはどうしても共存することができないのです。
コンテンツプロバイダに対する calibre の見解は?¶
我々は、著作者やその他のコンテンツプロバイダはその努力に報いられるべきだと固く信じていますが、DRM でそれができるわけではありません。我々がこのさまざまなソースからなる DRM フリーな電子書籍のデータベースを開発しているのは、皆さんが DRM フリーな代替手段を見つける手助けをし、また独立した著作者や出版社が DRM フリーな電子書籍としてコンテンツを出版する手助けを行うためです。お役に立てることを望み、また皆さんにはこうして利用可能となったコンテンツを海賊版とすることのないようお願いします。
DRMと戦うにはどうすればいいですか?¶
電子書籍を読み、購入する者として、皆さんは DRM と戦うことができます。DRM のかけられた本を買わないでください。一部の出版社は DRM フリーな電子書籍を出版しています。こうした出版社がお探しの電子書籍を出していないか、探す努力をしてください。もしもある独立した著作者が販売する DRM フリーな電子書籍を気に入ったなら、どうぞ彼らに寄付をしてください。このような電子書籍は出版社から買う DRM つきの本より安い傾向があるので (例外はあるかもしれませんが) お金のうまい使い方です。コンテンツを海賊版にして DRM フリーな電子書籍の出版社や著作者を落胆させることのないようにしてください。コンテンツの提供者は、その努力を報われてしかるべきです。自分の読書体験をよくするために DRM フリーの電子書籍を作り出すことで、彼らをこらしめようとしないでください。長い目で見れば、自分にとって害となります。もし DRM つきと DRM フリーの両方の電子書籍を扱う販売者から DRM つきかどうかわからないまま本を買った場合には、Web サイト上に DRM の状態についてコメントやレビューを書くことで後で他の購入者たちが情報を得られるようにしてあげてください。販売者の多くは、本に DRM がかかっているかどうか個別に示すことが購入者にとって重要だと考えていません。DRM フリーなライフを送るためのガイドは こちら です。