仮想ライブラリ

calibre では、仮想ライブラリによって通常のライブラリの一部だけを開くよう calibre に指示することができます。たとえば、ある著者の本だけ、あるいはあるタグをつけた本だけを利用したい場合です。仮想ライブラリを利用するのが、多数の本のコレクションの中から一部のコレクションを切り分けて利用するのに好ましい方法です。コレクション全体を検索したい場合などには全ライブラリに戻ればよいだけなので、小さなライブラリに分割してしまうよりも優れています。calibre では複数の別々のライブラリを同時に検索する方法はありません。

仮想ライブラリは、単純な検索とは異なります。検索によってできるのは、本のリスト上に表示する本を制限するだけです。仮想ライブラリでも表示の制限は行いますが、それに加えて左側の タグブラウザ に表示するタグ、著者、シリーズ、出版社などもその仮想ライブラリ内の本のものに限られます。つまり仮想ライブラリは、そのライブラリ内に制限された本だけが存在しているかのように振る舞うのです。

仮想ライブラリの作成

vlb 仮想ライブラリを使うには、検索バーの左側にある Virtual library をクリックして 仮想ライブラリを作成 を選択してください。最初の例として、ある特定の作者による本だけを表示する仮想ライブラリを作成してみましょう。下の画像に示すように 著者 リンクをクリックして著者名を選び、OK をクリックしてください。

_images/vl_by_author.png

仮想ライブラリの作成ダイアログに必要事項を入力しました。OK をクリックすれば、新しい仮想ライブラリが作成され、自動的にそれに切り替わり、選択した著者の本だけが表示されているのがわかるでしょう。calibre に関する限り、ライブラリには選択した著者の本だけが含まれているのと変わりありません。

ライブラリ全体にはいつでも戻れます。もう一度 仮想ライブラリ をクリックして <なし> という名前のエントリをクリックしてください。

仮想ライブラリは 検索 に基づいています。どのような検索でも仮想ライブラリの基礎として使用できます。仮想ライブラリには、指定されたその検索に一致する本だけが含まれます。まず、検索バーに使用したい検索を入力するか、タグブラウザ を使って検索条件を構築してください。返された結果に満足したら、仮想ライブラリ ボタンをクリックし、ライブラリを作成 を選択して新しい仮想ライブラリの名前を入力します。そうすることで、入力されている検索条件に基づいた仮想ライブラリが作成されます。検索は非常に強力です。検索でどのようなことができるかの例については、検索インタフェース を参照してください。

便利な仮想ライブラリの例

  • 昨日 calibre に追加された本:

    date:>1daysago

  • 先月 calibre に追加された本:

    date:>30daysago

  • 星 5 評価の本:

    rating:5

  • 星 4 評価以上の本:

    rating:>=4

  • 評価のない本:

    rating:false

  • calibre の "ニュースを取得" 機能によってダウンロードした定期刊行物:

    tags:=News and author:=calibre

  • タグのない本:

    tags:false

  • 表紙のない本:

    cover:false

仮想ライブラリの活用

仮想ライブラリ をクリックして動作を選択すれば、以前作成した仮想ライブラリを編集したり削除したりすることができます。

現在のライブラリを開いたときに常にある特定の仮想ライブラリを適用することもできます。それは、環境設定 → インタフェース → 動作 で設定できます。

現在の検索を一時的に仮想ライブラリとして使用するには、 仮想ライブラリ ボタンをクリックして *現在の検索 を選択します。

利用できるすべての仮想ライブラリを本の一覧の上にタブとして表示することもできます。仮想ライブラリ間を頻繁に行き来したい場合には特に便利です。仮想ライブラリ ボタンをクリックして 仮想ライブラリタブを表示 を選択してください。タブをドラッグ&ドロップして位置を入れ替えることができ、必要ないものは閉じることも可能です。閉じてしまったタブはタブバーの上で右クリックすれば元に戻すことができます。

検索における仮想ライブラリの使用

仮想ライブラリ内にある本はプリフィックスに vl: を使って検索することができます。たとえば vl:読む と指定すると 読む という名の仮想ライブラリ内のすべての本を検索します。vl:読む and vl:"サイエンスフィクション" と指定すると 読む および サイエンスフィクション という名前の仮想ライブラリ内のすべての本を検索します。

vl: に続く値は仮想ライブラリの名前でなくてはなりません。仮想ライブラリ名がスペースを含む場合には引用符で囲ってください。

仮想ライブラリの用途のひとつはコンテンツサーバです。環境設定 → ネット共有 → ユーザ名とパスワードを要求 によりユーザに表示される calibre を制限できます。表示されるライブラリごとに検索式を指定して、どの本を表示するかをさらに制限することも可能です。仮想ライブラリの本に制限するには、vl:"仮想ライブラリ名" を使ってください。

追加の制限の使用

仮想ライブラリ内に表示する本をさらに制限するには、追加制限 を使用します。追加制限は、仮想ライブラリに表示される本をさらに制限するために現在の仮想ライブラリに適用するために作っておかれる、保存済み検索です。たとえば 歴史小説 とタグをつけた本からなる仮想ライブラリがあり、未読の本を表示する保存済み検索があるとすると、仮想ライブラリ ボタンをクリックして 追加制限 を選択すれば未読の歴史小説だけを表示することができます。保存済み検索については、検索の保存 を参照してください。